2021.08.04MOMOTARO JEANS
桃太郎ジーンズにある3つのレーベルのうち、最も初期からの流れを汲むレーベル。
今回は「銅丹レーベルとは?」という方に向けて、前編・後編に分けて詳しくお話しします。
桃太郎ジーンズにある3つのレーベルのうち、最も初期からの流れを汲むレーベル。
今回は、銅丹レーベルとは?という方に向けて、前編、後編に分けて詳しくお話しします。
我々は倉敷市児島で生地屋としてスタートし、現在も継続している。
様々なメーカーへ生地を販売していく中で、一つの思いが固まる。
– 自慢の生地を直接お客様へ届けたい –
今までテキスタイルカンパニーとして様々なブランドへデニムを提供してきた生地のエキスパート。
蓄積された知識と岡山の職人たちの思いを一般消費者にも直接届けたい。
試行錯誤を繰り返し、2006年に桃太郎JEANSとして態勢が整った。
その中の柱の一つが「銅丹レーベル」である。
ジーンズを構成する要素のうち、最も重要なのが生地。様々な国に綿があり、それぞれが持つ特徴もまた様々である。これまでの経験を活かし、自分たちの考える「良いデニムとは?」を追求した結果、ジンバブエコットンにたどり着く。
最高のデニム、最高のジーンズを作るには最高の原綿が不可欠。ジンバブエコットンはアフリカの大地でのびのびと育ち、手摘みで集められた白度に優れた良質なコットン。それを旧式力織機で14.7オンスの右綾デニムに製織し、使用している。
ジンバブエコットンはこのような形で輸入される。1つの塊で約2トンの重量がある。
そして次に重要な色、これは色落ちの表情を左右する。 当初、銅丹レーベルはオールドブルー(現在はレガシィブルーに呼称変更)のみで展開をスタート。この色は1973年に誕生した初期の純国産ジーンズの色味を再現し、爽やかなブルーに色落ちするのが特徴だ。(国産ジーンズが誕生した1960年代はアメリカから輸入された生地を使用していた。)
やがて、よりメリハリの効いた色落ちを望む声から特濃インディゴブルーの生地を追加。生地の色で悩む楽しみもあるのは銅丹レーベルのみである。
更に生地の段階で防縮加工・捻じれ矯正加工・弱毛焼き加工を施し、ヴィンテージ系ジーンズの(長所でありながら)悩みの種でもある縮みや変形を極力抑えるため手間と時間を掛けている。
原反とジーンズ。セルヴィッチはオリジナルのピンク耳。
ジーンズに個性を与える革パッチ。各メーカーが素材とデザインに趣向をこらしているパーツである。いわばブランドの顔となる箇所の一つ。
銅丹レーベルは厚みのあるサドルレザーに桃太郎の焼き印を押したパッチを採用。さらに四隅をリベット留めしたシンプル且つハードな仕様になっている。最初の頃は薄いベージュの革色も穿き込んでいくうちに色が濃くなり、ツヤのある飴色へと変化していく。ただし、乾燥機の使用は革が縮みビーフジャーキーのようになってしまうのでNG。
飴色になってきた革パッチ。シワやキズなども本物のレザーの証。
さて、色が濃くなる革パッチとは真逆の経年変化を楽しめるのが腰裏に貼られた藍染生地である。ジーンズでこの部分に当て布をするのは珍しく、桃太郎JEANSの中だけで見ても銅丹レーベルのみのディテールとなる。
銅丹レーベルは単純にヴィンテージジーンズをリプロダクトしたモデルではなく、日本古来の技術も織り交ぜながらモノづくりを伝えていくレーベルだ。そして洗濯を繰り返すうちに少しずつ退色していき、生地がかすれてくる頃には何とも味わい深い表情になっている。
腰裏の生地、デニム生地の色落ちはオーナーの歴史となる。
ジーンズはワークウエアゆえ強度を求めて各所をリベット留め、またはバータックで補強されたものが殆どである。これも革パッチ同様、各メーカーが様々なタイプをチョイスしている中、桃太郎JEANSでは銅の打ち抜きリベットを使用。表面に「MJ&CO -OK-」、裏面は桃の家紋柄を刻印。
打ち抜きリベットは生地の切れ端の一部が表に飛び出てくる。細かいところではあるが、古き良き風合いを再現したこだわりのポイントの一つだ。トップボタンと小タックボタンは大きな桃のデザインで製作し、金属パーツでも独自性をアピールしている。使い込むとリベットは鈍くくすみ、トップボタン・小タックボタンはツヤが出てくるというそれぞれの変化も楽しんでもらいたい。
リベット裏には桃の家紋。鈍いツヤが味わい深い。
また、ジーンズにおける金属パーツの代表格といえば前立て部分であろう。伝統のあるボタンフライ、ジーンズの新時代を感じさせたであろうジッパーフライ。どちらにもメリット・デメリットあるが、ここは好みで選べば良い。着用のしやすさを優先したり、ヴィンテージの風合いを優先したり、ジーンズに求めるディテールは人それぞれ。
銅丹レーベルはほぼ全てのモデルでボタンフライとジッパーフライを展開しているため、選択肢の多さも魅力の一つとなっている。ちなみにジッパーフライのジップ部分の持ち手にも小さな桃を刻印してあるので、ジッパーフライを選んだ際はそこもチェックしてほしい。
リベットに対し、ツヤの出てきたトップボタン。
早足ではあるがCOPPER LABEL : talk1はここで終了となる。
ここまで読んで銅丹LABELに興味が湧いた方は以下のフローチャートから好みのジーンズを探してほしい。
まずはボタンフライなのかジッパーフライなのか?次に生地の色はどちらか?
最後に好みのシルエットを選び、そのページに現れるジーンズがあなたのイメージを満たす其れであることを願う。
銅丹レーベル:其の二(後編)では実際に愛用しているスタッフの写真とともに、
色落ちについてなどインタビュー形式で紹介しています。